DT:ところで、お話は変わります。チャーリーさんは、都市計画のお仕事もされていたと聞いたのですが?
CM:私は、オーストラリア政府の建築・開発関係のオーガナイザーの仕事をしていて、都市に住むアボリジニが故郷に帰る際のお手伝いとして水道供給の改善などを6年程行っていました。
DT:どうしてディジュリドゥに興味を持たれたのですか?
CM:私は4才の頃にディジュリドゥに出会いました。その頃は全く知られていませんでしたが、10数年前から、オーストラリア以外の国でも良く知られる楽器となりました。そして、ずっと45年間演奏し続けてきました。
DT:もともとチャーリーさんはアボリジニではないのに、ディジュリドゥの魅力にとりつかれたのですね。
CM:そうです。私はアイリッシュです。子供の頃から親しみ、 ディジュリドゥを発展させてディジュリボーンやフェイスベイスといった新しい楽器を作り出してきました。そして、アボリジニの楽器や音楽をロックミュージックに応用する試みを手がけてきました。そして逆にアボリジニの人達がロックに親しんでいったのです。最近では、トランスミュージックに取り入れる試みも行っており、今日はそういった楽曲も演奏します。
DT:ディジュリドゥを始めた頃のお話をお聞かせ下さい。
CM:4才の頃から始めました。でも、少年時代、10代の頃は、とてもロケットに興味が有り、いろいろ作っていました。そして将来はそういったロケットを作る技術者になりたいと思っていたのです。
12才の時から始めて、16才の時にかなり大きなロケットを作りました。その時、爆発事故で右手を無くし、鈎爪を付けているんです。
DT:演奏する際には、大丈夫ですか?
CM:見てごらん!全く問題ないよ!
バーベキューには持って来いだよ。こうやって、酒を飲むときもね。車も運転するよ。
僕にとっては、とても実用的なんだ。どうだい?
DT:次に、あなたの作ったゼノフォンについて教えて下さい。
CM:まずディジュリドゥは管、チューブです。ゼノフォンは口の中に入れるものです。
ある日、アイデアが浮かんで、口の中の音を録音してみたのです。
そして、口の動きを読みとり、音に効果を与えるシステムを開発したのです。センサーが口の動きに応じてプリアンプにつながり、音の信号をアンプに送ります。そしてより深く豊かな音、複雑な音を出す事ができる様になったのです。これをフェイスベイスと呼んでいます。とても楽しいですよ。
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