Disco Time machine - Back

Live Report

2009年5月9日 六本木・ビルボードライブ東京

Eddie Levert Of The O'Jays

Eddie Levert(Vocal)
Sherena Wynn(Background Vocals)
Tony Masterantonio(Guitar)
Johnny Johson(Guitar)
Dennis Williams (Keyboards)
Matt Rose(Keyboards)
David Romeo(Percussion)
David Inamine(Bass)
Freddie 'Golden Stix' Holliday(Drums)

 70年代のオージェイズやハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツが、特別な存在だったと感じておられる方も多いと思う。この日のライブ、いつものSistaとご一緒だったのだが、開演前にブルース談義で少々お酒が回ってきたかナーなんて思っていた所、ふと、階段方向からよく見たことのある人影が・・・半年ぶりくらいにお会いできたSista Kちゃんが登場して、久しぶりに話をすることができた。(皆、Sistaなのでややこしいですネ)こういう貴重なソウル・ショウは、皆さんその匂いを嗅ぎつけて登場する訳だが、ほんとになかなか縁が切れないもの・・・ていうか、僕もこの風景に溶け込んでいたりする訳で、お互い元気な会話を交わすと妙にホッとする瞬間でありました。
 オージェイズの70年代から80年代のアルバムは、結構、CDで再発されている。今回はエディー・レヴァートのみとはいえ、来日公演はめったに無い。Biographyによると結成は高校生の頃、1958年ということなので、芸歴50年という事。オージェイズとしても、2001年「愛の紋様」、2004年「イマジネーション」をリリース、映画「ファイティング・テンプテーションズ」では、床屋さんで鋏を片手に持ちながらのゴスペルコーラス・シーンなども記憶に新しいところ。今年は、往年のフィラデルフィア・ソウルの名作コンピレーションが「ラヴ・トレイン〜フィリー・ソウルの全て」としてBOX SETでリリースされていて、これは圧巻。
 そんな雑談に興じていると、ステージに、エディーがグリーンのジャケット、黒のシャツ、黒のパンツでバンドと共にステージに登場。円陣を組んでる訳じゃないんだろうけど、気合いを入れているのか、何やらしばし、打ち合わせ。丁度、良いタイミングでお酒のおかわりも登場。Sistaと共に、涙出そうになりながらの「裏切り者のテーマ」。ちょっとゆったりめのラテン・パーカッションと引きずるようなベースが心地よい。ソロとはいえ、お父さん、一人で頑張ってます。ソウル・トレインで見た振り付けをそのままやってくれるところがまた嬉しい。TVでも、お父さんたちは生歌でした。息着く間もなく、怒濤のヒットパレードと相成り、若いギタリストに声をかけつつ「アイ・ラヴ・ミュージック」、ギターソロも泣けるなあ、のっけから出し惜しみ無しの「ラヴ・トレイン」、軽くバンドメンバー紹介をしながら、まあ座れと。もう1曲オージェイズの曲ということで、「愛しのマイ・ガール」。そして、曲への思い入れを語りつつハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツの「ウェイク・アップ・エヴリバディ」
 The world won't get no better if we just let it be
 The world won't get no better we gotta change it yeah, just you and me.に力が入る。
特別な歌として、エディーのシャウトするテナーが素晴しい。雰囲気をがらっと変えてファンキーな「世界に平和が訪れる時」、当方の予想はこの曲が最初で、アルバム通り「裏切り者のテーマ」へもっていくかナーなんて思っていました。お父さん、汗びっしょりかきながらDa, da, da, daでJamin.
 座って語りが入り、ジェラルド・レヴァートとの共作、アルバム「ファーザー・アンド・サン」から「オールレディ・ミッシング・ユー」、アルバム「プライヴェート・ライン」から「ベイビー・ホールド・オン・トゥ・ミー」この2曲は泣けた。続いてはジャンプ・ナンバー、レヴァートの87年のヒット「カサノヴァ」
 ロックをヤルぞ!といって、曲はディスコで聞き覚えがあったのだけど、タイトルがわからず、プリンスのナンバーかな?なんて思っていたのだが、後でSistaに教えてもらったところ、86年のロバート・パーマーのナンバー「恋におぼれて」で、完璧なロックンロールだった。続いて、ピアノソロとエディーのシャウトするブルースが泣かせるB.B.キングの70年のヒット「スリル・イズ・ゴーン」、サムクックのナンバーが3曲「ツイストで踊りあかそう」、オーティスでおなじみの「シェイク」、「パーティを開こう」でショウ・タイム。もう1曲オージェイズのナンバーが欲しいと思っていたところで、「サバイバル(生存者)」ラストが「ソウル・パワーのテーマ」ではなかった所が、今の時代を示唆しているのかも。
 フィラデルフィア・ソウルの魅力を振り返ってみると、ラテン・パーカッションが効いた華麗なオーケストラをバックにゴスペル・フィーリング溢れる歌声に込めた核心のメッセージが、新しい時代の幕開けを予感させ、70年代の時代背景にしっくりきたのだろう。時代は変わったが、お父さんの手は想像以上に大きく、厚かった。