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ファットバック・バンドはベテランであるだけでなく多数のアルバムを発表し続けていて、常に時代の節目で世に問う作品を出すので、名作というと実に悩みます。但し、現在彼らのアルバムは、一昔前に比べてかなり入手しやすくなっているのは嬉しいことです。最大の魅力は、泥臭いFunkのうねりとJazz, R&B, Latinを基調にしつつも、常に最前線のStreetを感じさせてくれる所でしょう。Funkのうねりというのは一聴すると単純な繰り返しに思えるもので、最初はどうしても冗長な印象を受けがちですが、一旦、この独特なリズムに取り付かれると無くてはいられなくなるものです。また、"King Tim3(Personality Jock)”は最初のRap Recordとされており、数多くのHip hopアーティストがFatbackをサンプリングしているのも良く分かります。近頃、六本木界隈でも“Spanish Hustle”を耳にすることも多くなりました。もう、あれから30年だもんね。今回ご一緒したS氏は“Wicky Wacky”, “Yum Yum”の頃からのファンで、ナマは渋谷ライブイン以来という筋金入り。前回来日の際の話などをアペリティフに、Sista KIもピッチが上昇。Sista KIは酒のピッチが上がると、なぜか座間の話を始めるので味が濃すぎます。今宵はSoul血中濃度が上がるから赤ワインでポリフェノール補給しといてね・・・
今回はBill Curtisを中心とし、George Williams, John Kingといった古くからのメンバーに加えて、80年代、90年代からのメンバー構成でホーンも分厚い9人編成。
まずは、初期のヒット曲を立て続けに3曲。
Street Dance
Njia Walk(Street Walk)
Wicky Wacky
John Kingが刻むブルース・ギターにEd Jacksonのサキソフォンが絡みホーンが全開。George Williams, Ledjerick Todd Woods, Ed Jacksonは演奏しながら大きな振り付けで、Soulの楽団っていいですねえ。
John Kingは小柄な体でギターを上げ下げしながら独特なスタイル。レコードジャケットの写真ではいつも真ん中あたりにいました。
Party Time
Gotta Get My Hands On Some(Money)
Keep On Steppin’
ディスコ・ファンにはおなじみのファンク・ナンバーで、(コットンクラブなので)皆ちょっと遠慮しつつも会場総立ち。ベースのPete Everettと女性のIsabellaがリード・ボーカルを取ります。
Groovy Kind a Day
アルバム“Raising Hell”に収録されているミディアム・テンポのナンバー。ライブでこの曲が聴けたのは意外だった。Ed Jacksonのサキソフォン、フルート、Robert James Jr.のキーボードソロ。
Yum Yum(Gimme Some)
(Are You Ready) Do the Bus Stop
Spanish Hustle
Backstrokin'
I Found Lovin'
I Like Girls
Bill Curtisの仕切りで大ヒット曲が続けて炸裂。
“Yum Yum”でのIsabellaのパーカッションの振りがいい感じで、Fatbackは演奏しながら客席を周回。
“Do the Bus Stop”は、George Williamsを先頭に客席に降りてきて、全員George Williamsのかけ声通りに踊る趣向で、“goin’ to the front, goin’ to the back”の所を“4 to the front, 4 to the back, 2 to the front, 2 to the back, front back, front back”っていう感じ、Ogenkidesukaで大盛り上がりのままSpanish Hustleに突入。“Backstrokin'”では、メンバーが演奏しながら各々客席の女性をステージに上げてペアで踊ったのですが、お客さんも実に踊りが上手く、筋金入りと見ました。Isabellaのお相手は白人紳士でしたが、コミカルな良い味を出していました。
そして、I Found Lovin’、アンコールの“I Like Girls”で〆め。
またも当分、酔いの覚めそうに無い夜となりました。Cotton Club最高。
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