Disco Time machine - Back


Live Report

2009年8月20日 丸の内 コットンクラブ

タニア・マリア
ライブレポート

Tania Maria(p,vo) Marc Bertaux(b) Jean Philippe Fanfant(ds)

 広島STGのミサコ奥様が上京されて、夏にふさわしく、ラテンっぽいジャズを聴きに行こうという事で、ミサコ奥様、ケン坊と共に、コットンクラブへ。今回、不勉強な僕は予習無し。
 スタインウェイのグランドピアノとベース、ドラムスだけのシンプルなトリオ編成・・・ということで、目一杯、ピアノとボーカルをフィーチャーした構成。
 こうなると、ピアノとボーカルがメロディーの全てとなるので、Tania Mariaがひたすらピアノを奏でながら歌う訳で、これは予想以上に脱帽ものだった。
 ブラジル出身のベテラン・ボーカリストで、ファンキーなラテン・ジャズという前説はさておき、そのショウ毎にピアノの音色も変わるのだろう。この日のピアノは、夏の陽射しの中で、吹き込んできたそよ風の様な柔らかさを感じさせてくれた。
 意外だったのは、強烈な個性を感じさせるボーカルだった。ファンの方達にはおなじみなのだろうが、エネルギッシュな中にもナチュラルなボーカルには、大人の魅力が散りばめられていて、聴いているうちに妙にうれしい気持ちにさせてくれる。ふだんラテンをあまり聴くことが無かったので、これは新しい発見だったかも。
スキャットも存分に披露してくれて、いつしかピアノとの連弾の様相を呈してくる。お約束のCome With Meでは、観客と共にスキャットをご唱和なんて楽しい趣向も交えてくれた。うーん、この曲は夏の終わりにはしっくりくるネ。
 ドラムスのJean Philippe FanfantとTania Mariaとの掛け合いは息がぴったりだった。彼はカリビアンとの事だったが、終始、にこにこ陽気な笑顔をふりまきながらとても楽しそうに演奏するプレイヤー。シンプルなトリオ編成にもかかわらず、彼のブラシヒッティングはサンバ・フィーリング溢れる熱いリズムを繰り出していて、ここも一つの聴き所。大人のクロスオーヴァー、否、クロスオーヴァーの原点を復習してみたくなった。