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GO GO DANCE (1968)

昭和43年12月22日
「京都新聞」より引用

サンデー ルポ

きょうは少年補導にあたる京都府警防犯部少年課補導係の街頭パトロールを追ってみた。

“非行の温床”に群がる少女

幼い顔に化粧も

 デパートを出てD喫茶へ来る。ゴーゴー喫茶だ。暗い廊下を通りぬけるとフロアが開ける。空間いっぱいに広がるゴーゴーのリズム。ほとんどがハイティーンの女の子だ。まっ赤なロングスカート、フリルのついたブラウスに三角ストール・・・・・・いずれも目ジリを下げたことし流行のメーキャップの少女二人に声をかける。
 「ちゃんと仕事に行ってる?」
 「ふん、Kというところに変わったけど、毎日欠かさんと働いてるで・・・・・・」
   この一年補導している少女だそうだ。二人とも高校に通っていたが、盛り場に出入りするうちに学校をズル休み、退学になった。家庭がおもしろくないので、こういうところへ来ないとやりきれないそうだ。
 「こんなところに来る子のたいていは家庭がほったらかしの子です。だからやさしくするとずいぶんしたってくるんですよ」と奥山さんはつぶやく。

18歳未満が堂々と

 そろそろ八時。どこの盛り場もピークの時間だ。二人は再びとって返し、祇園近くのNゴーゴー喫茶へ。ここはさっきのDとちがって学生が多い。高校生や大学生と思われる連中が狭い場内でひしめきあって踊っている。サイケなデコレーションとバンドのかきならすリズムに汗をたらし、耳やほおを紅潮させ、こうこつ境にさまよう顔はまだ幼い。「十八歳未満の方は入場お断り」の看板もどこ吹く風だ。
 

転落の最短コース

 踊ることは適当なエネルギー発散にもなるから別に悪いことはない。が、大槻さんと奥山さんが心配するのはそのあとの行動だ。ゴーゴー喫茶で知り合った者同士が、自動車で深夜喫茶へ、そしてホテルへと転落のコースをたどる。とくに最近は無差別に友人になることが流行しており、名前も知らないまま不良異性交遊にふけるケースが圧倒的に多い。しかもこうした非行の温床となる深夜喫茶、ゴーゴー喫茶、風俗営業などはドンドンふえている。「もうかりすればよい」という商業主義の無責任さに青少年がどんどん毒されていく。

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