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TUREA (1988)

叶「界文化社刊
「ザ・ビッグマン」207号より引用

トゥーリア崩壊

野望の王国トゥーリアが光を失った時、短くも美しく栄えた王国は幕を閉じた。

 みなさんは覚えておいでだろうか「トゥーリア」の名を。'88年の屠蘇気分絶好調の1月5日、いつ果てることなく増殖し続けると誰しもが信じていた六本木ディスコ文化に、突如として終焉を告げる大事件が発生したのである。照明落下事件!厳しいチェックディスコとして名を馳せ、芸能人や野球選手御用達の派手なディスコとして知られていたトゥーリアでバリライトという照明が天井から落下し、3人の死者、14人の重軽傷者を出すという大惨事が発生したのである。このバリライトはマイケル・ジャクソンのコンサートでも使われた米国製で、巨大なロの字型の物体が光り輝きながら上下するというふれこみだった。だが実はこの落下事件で国産のニセモノとバレてしまったのだが、とにかくこの店の最大のウリだったのである。
 この事件で六本木ディスコ族の実態が明るみに出た。死亡した3人はみな地方から遊びにきていたり、勉強しにきていた人であった。そこに居合わせた人たちもほとんどが東京以外の人たちだったのである。そういえば'86年から'87年にかけて六本木周辺で徘徊する車に東京近県のナンバーが目立ち始め、果ては東北、東海からも軽のミラ・ターボなんかで六本木のディスコに乗りつけるなんて言う現象が頻発していたのである。もちろんワンレン+ボディコン姿で。つまり純正ボディコンはすでにその頃六本木を敬遠し始めていたのだ。

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